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助演女優賞
季節を巡って 1R
ループして 幾度も越えるはずだった
残しておいた 美味しいお菓子も
賞味期限が過ぎちゃったよ
教えてくれた あのバンドの
音楽が生活のサントラになって
心地よかったメロディーが
今は酷く悲しいの
行かないでほしかった 居てほしかった
大丈夫 離れたりしないから
何て嘘だった 私じゃなかった
惨めになんて なりたくないから
可愛いあの子の笑顔には
私の涙が要るのでしょう
ぼやけたスクリーンの端にすら
映らない 感情が滲む
記憶が滴る ワンピース
ぎゅっとされた 香りをそのままにして
鏡に溶ける いつかの煙草と
シーツの皺が苦しいの
あんなに簡単に 繋いだ手 も
ただ淡々と 離れてった心も
冒頭の20分程度なんでしょ
最低だな
可愛いあなたの笑顔には
私の涙が要るのでしょう
いつかのセリフと表情を
巻き戻しては 恋をしていた
二人のハッピーエンドには
私の孤独が要るのでしょう
泣き腫らした 顔で笑う
そんな日常を超えた餞に
汚れたこんな物語は
美しく拭ってみせましょう
私のハッピーエンドには
気高い私が いるのでしょう
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